Windows 11標準搭載!無料RPAでExcel帳票を表データに変換できるって知ってましたか?【1/4】

Windows 10のサポート終了が2025年10月に迫り、いよいよWindows 11への移行が本格化しています。スタートボタンの位置が変わった、Internet Explorerが廃止されたといった変更箇所はさまざまな記事をみていただくとして、今回はWindows 11から標準搭載になったPower Automate for desktopを紹介します。

Power Automate for desktopとは?

Power Automate for desktopは、Windows 11で使える業務自動化ツール(RPA:Robotic Process Automation)のことです。Windows 10時代は「Power Automate Desktop」としてマイクロソフトのWebサイトからダウンロードする必要があり、知る人ぞ知る便利ツール扱いでしたが、Windows 11から標準搭載になったのです。

RPAは、人間によるパソコンの繰り返し操作を自動化し、業務効率を高めるなどの目的で2017年ころから急速に普及しました。DXの具体策とも位置づけられ、大企業を中心に、Excelのマクロやプログラムを組むまでもない単純作業を自動化するプロジェクトが数多く立ち上がりました

企業向けのRPAはデスクトップ向けから管理機能を備えたサーバー型まで、月額数万円/ライセンスの料金体系で使えることが多いです。一方、Power Automate for desktopは無料。RPAベンダーの中には、無料のPower Automate Desktopを使わせまいと、スケジュール機能がない、集中管理ができない、サポートがないなど、不安を煽るマーケティング活動に熱心なところもありました。実際は、ごく限られた用途以外ではWindows 10時代からPower Automate Desktopで十分であることは、良識あるITエンジニアには知られたことでした。Windows 11のPower Automate for desktopの機能はさらに強力です。

なお、RPA導入担当者の方をがっかりさせてはいけませんから、ここまでの紹介はこの記事を読んだ人限りでお願いします

Power Automate for desktopの起動方法

Windows 11でPower Automate for desktopを起動するには、スタートメニューのそばにある検索ボックスに「power」と入力するのが一番簡単です。Microsoft 365をインストールしていると「Power Point」が候補になりますが、スタートメニュー内の「Power Automate」をクリックすれば起動できます。

Excel帳票の課題

いまだに多くの社内文書がExcelで作られています。承認フローなど各種業務システムを販売しているベンダーはExcel/Wordの社内文書を目の敵にしてきますが、Officeライセンスだけで使えて、現場で様式の変更ができ、情報密度の高いExcel/Word製の書類は、Webブラウザーなどで利用する業務システムでは実現しえないメリットがあるのも事実です。ただし、Excel/Word製の書類は、データとして使い回しにくいのが最大のデメリットです。Excel/Word文書ではデジタル化されているだけでデータを再利用できないから、各種業務システムで業務フローに組み込んで承認、保存、再利用することを情報システム部門が推進しているのです。

データを表形式で扱えれば、〇〇さんは年間何件の申請をしたか、過去にこの事例が何件あったか、といった集計がとても楽になります。データを集計できれば、分析や予測もできるようになります。Excel帳票の課題は「帳票形式のままでは活用しにくいこと」であって、「脱Excel」のような手段の目的化で得をするのは、業務システムのベンダーだけです。日々の事業を担う皆さんにとって重要なのは、先輩たちが残してくれたExcelファイルを、データとして分析や予測対象に何とかできないものか、という課題を解決することではないでしょうか。

Power Automate for desktopでExcel帳票を表データに変換できるの?

結論から申し上げると無料のPower Automate for desktopを使えば、Excel帳票を表データに変換できます。たとえば、以下のようなExcel帳票があったとします。

この立入検査結果通知書は、実在の市区町村の様式とは異なりますが、似たような書類はどの会社でも見かけたことがあるはずです。帳票形式のExcelシートの問題は入力されたデータを利活用しにくいことですが、Power Automate for desktopを使えば、以下のように表形式に変換できます。

この例では3件しかありませんが、Power Automate for desktopを使えば、特定のフォルダ内のファイルをExcelで開き、項目をひとつづつ転記して表にする作業を完全に自動化できます。項目数にもよりますが、1ファイルあたり22項目ある上記の帳票の場合、3ファイルを処理するのに約24秒かかりました。仮に過去のExcel帳票が1000ファイルあったとしても、表形式への変換に3時間もかからない計算です。

では、Power Automate for desktopでは、どうすれば操作を自動化できるのでしょうか。以下の画面は、Excel帳票を表データに変換するときの典型的なフローです。

Power Automate for desktopは無償ツールであるがゆえに、まとまった日本語情報が少ないのは有償ツールのベンダーが指摘するとおりです。弊社は、RPAベンダーではありませんが、表データに変換したあと、フリーテキストを生成AIで分析するサービスの提供社として、Power Automate for desktopをお客さまに推奨する立場です。

次回は、Power Automate for desktopでExcel帳票を表データに変換するフロー(Power Automateの用語で、自動化する一連の操作の流れのこと)を紹介します。

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